■□考えてみよう

(鷹野のスクラップを読んだから、というわけではないが…。これまでの事件資料や雛見沢の歴史を顧みるに、恐らく……雛見沢には複数の固定観念のようなものが存在する……)

  

(最低でも2つ)

  

(一つは疑心暗鬼に囚われ、自我を喪失するような状態。恐らくは一連の鬼隠しや殺人事件はこれに侵された人間が行っている。
人間を特定の発狂状態に移行させる何かがこの土地にはある。閉鎖的な村に時折みられる何らかの心理行動の一環と言えなくもないが、それで説明づけるには明らかに行き過ぎている。
外因性の精神疾患か…。鷹野は寄生虫だの御託を並べていたが、僕の推測ではさらに感染効率の高いもの。……ウイルス性の病か? つまり『オヤシロさま』とは……

  

(心理的条件に起因して発症するタイプのようだな。特異な病例だ。…世界の医療機関に掛け合って研究させるか…。そしてルールその2

  

(鬼ヶ淵等の伝承…祟り…)

  

(鬼隠しと殺人事件の奇異な対応…。園崎の機密性と手の長さ。さらにはそこから派生する、ダム戦争時の派閥、確執…村による北条家への弾劾。それらが作り出している、この村特有の『事件発生を許容する精神的風土』)

  

(この二つが繋ぎ合わされることで毎年の事件が発生し、事件発生によって事件発生が自然なものと化す)

  

(互いのルールが互いを補強しあっている)

  

(上手く出来ているな…なかなか面白いが……タネをばらせばこんなもの)

  

  

□■もっと考えてみよう

(だが……)

  

(それだけではないはず。外因性の病という背景があるからこそ、面白いほどに浮かび上がってくるものがある)

  

(私の考える『雛見沢特有の病が発症する条件』に北条沙都子は合致する。そして古手梨花と二人揃っての定期的な診療所への訪問。表向きな理由がそれらしく用意されてはいるが……、これは入江診療所による件の病の治療と考えられる)

  

(病が蔓延し、それを自覚しているのであればその対策機関が発達しているのは道理だからな。そしてそれほどまでの症状を、現在の沙都子レベルまで抑えることが出来る…。
そこまで研究が進んでいるのであれば、何の資金援助・支援が無いというのは考えられない。病原菌一つとっても突き詰めた研究をするのに結構な金がかかるからな…。ならば)

  

(この村、いや、入江診療所にはそれなりのバックがついている。しかし雛見沢とそれだけの資金源が繋がっているというなどという話は聞かないし、こんなウイルスをこんな深度まで研究するメリットが限られてくる)

  

(大方、研究資金もそれ程割いているわけでは無いのだろう。案外見限られる直前なのかもしれないな……。だが、腐っても病体研究。そんなものを『片隅の予算』で賄えてしまう規模の組織……)

  

(派閥化した日本政府の一機関というオチか? 園崎と繋がっている、とも考えたが……)

  

(ダム事件のことを考えるとその線はあまり濃厚では無さそうだな……)

  

(なによりもそこまで派手に動いて警察が園崎の不自然さを何も掴めていないというのが…。ならば診療所と外部が繋がっていると素直に考えた方がいい。問題はそのパイプラインだが…)

  

  

もっともーっと考えてみよう

(雛見沢での研究、そして資金援助の掛け合い。それを繋ぐ人間がいる)

  

(一定の間隔でこの村へ訪れ、それなりに背景が洗えない人物)

  

(富竹)

  

(そしてその恋人である鷹野三四は都合よく入江診療所に勤めている…。……。……。点と点が繋がりすぎて逆に面白くないな)

  

(そういう組織の存在を疑ってしまえば、ダム事件時の誘拐…その不自然さが見えてくる。例年の事件を調べていく中で、背後に妙な気配がちらほらと……

  

(雛見沢2つのルールを踏まえ理解した上で何者かが操縦している。……そんなニオイがするが……)

  

(もしそうだとするならば)

  

(入江診療所のバックボーンこそが)

  

  

(雛見沢に存在する、最後のルール)