ピリリリr
キョン「zzz」
ピリリリr…
キョン「……はっ!?」
キョン「…」
キョン「……やっべ、早く……うおっ!」
バタバタ
キョン「……ハルヒー……」
ハルヒ「遅い!!」
キョン「うっ、ご、ごめん」
ハルヒ「もう六時半じゃない! ……だから言ったでしょ」
キョン「……もしかして、五時に起きてた?」
ハルヒ「当たり前じゃない!」
キョン「あぁ、ごめん。ほんとにごめんな」
ハルヒ「…」
ハルヒ「ほら行くわよ!」
キョン「っと、どこ行くんだよ」
ハルヒ「…」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「うるさいっ!」
キョン「…」
キョン「……公園? へぇ、こんなとこに」
ハルヒ「反省してる?」
キョン「へっ?」
ハルヒ「だから、遅刻したの反省してるのかって聞いてるの!」
キョン「あ、あぁ。反省してるとも。ごめん」
ハルヒ「……許してあげる」
キョン「…」
ハルヒ「ねぇキョン。ブランコ」
キョン「ん? おぅ。いいな、たまにはそういうのも」
ハルヒ「うわー、冷たいわね」
キョン「しりが冷えるな……こっち座るか?」
ハルヒ「いい」
キョン「……まだ怒ってる?」
ハルヒ「ふふん、怒ってないわよ!」ポフ!
キョン「おっと」
ハルヒ「もっと早くキョンが来てれば、まったりできたんだけどね~」
キョン「いいじゃないか。まだまだ時間はあるさ」
ハルヒ「プラス思考ね……よっと」
キョン「?」
ハルヒ「コーヒー。寒いでしょ? 暖かいの作って持ってきてたの」
キョン「……サンキュ」
ハルヒ「熱いから気をつけないさいよ?」コポポ…
キョン「ん……あったかい」
ハルヒ「フー……んぐ」
キョン「? コーヒー、飲めるようになったんだな」
ハルヒ「え? あぁ、嫌いだったけど飲めないほどじゃなかったしね」
キョン「にしても甘いコーヒーだけどな」
ハルヒ「うるさいわね! こっちのほうが好きなの!」
キョン「はは、じゃあ仕方ないか」
ハルヒ「……この鎖、錆びてる」
キョン「そういうもんだよ」
ハルヒ「そのうち撤去されるのかしら?」
キョン「そうだろうな……なんかちょっと寂しいよな、そういうの」
ハルヒ「…」
キョン「ここはあれか? ハルヒが昔遊んでいたとか」
ハルヒ「そうね」
キョン「お前にもそんな時期はあったんだな……なんか可愛いな、それ」
ハルヒ「なに言ってるのよ! 当たり前じゃない!」
キョン「それは活発な子供だったんだろうな」
ハルヒ「む……否定はしないわ」
キョン「男の子とか女の子とか、そんなの関係なしに騒いでたんだろ?」
ハルヒ「うるさいわね!」
キョン「わかりやすいなぁハルヒは」ナデナデ
ハルヒ「…」
キョン「にしてもハルヒ、ブランコに大人が二人座るのはちょっと窮屈じゃないか?」
ハルヒ「なに言ってるのよ、まだまだ子供よ」
キョン「そうじゃなくてだな……まあ、いいけど」
ハルヒ「寒いわね。もっとぎゅーって」
キョン「あいよ」
ハルヒ「成長したなぁ……」
キョン「そうだな。フニフニでほこほこだ」
ハルヒ「そ、そこじゃないわよ! バカキョン!」
キョン「思ってみれば、不思議なもんだ」
ハルヒ「?」
キョン「ハルヒと出遭った時、正直なんだこの女はって思ってたんだよ」
ハルヒ「…」
キョン「仕方ないだろ? 宇宙人がどうこうとか、出会ったことがない性格の子だった」
ハルヒ「わ、悪かったわね」
キョン「それが今じゃ、こんな風に……朝っぱらから小さなブランコで膝に乗せてるんだもんな」
ハルヒ「いいじゃない」
キョン「もちろん。想像してなかったけど、幸せっちゃあ幸せだ」
ハルヒ「……あたしも」
ハルヒ「キョンの傍に居るとね」
キョン「おぅ」
ハルヒ「……どきどきして、でも安心して……よくわからなかったの」
キョン「?」
ハルヒ「それが好きだってことに繋がったときは、気が気じゃなかったわよ」
キョン「なんでだよ」
ハルヒ「あたしがそんな普通に、誰かに恋するだなんて……思ってなかったもん」
キョン「…」
ハルヒ「だから、このままじゃダメかなって……告白したのだって、本当に一生懸命だったんだからね!」
キョン「わかってるとも。俺が一番びっくりしたんだから」
ハルヒ「……断られたらあたし、どうなってたのかな」
キョン「さぁな。普段と変わらないかもしれないし……変わってたかもしれない」
ハルヒ「……ありがと」
キョン「なにが?」
ハルヒ「あたしのこと、好きになってくれて」
キョン「……こちらこそ」
ハルヒ「来年も、その来年も……ずっとキョンの傍に居れるかな?」
キョン「どうだろうな。先のコトはわからないさ」
ハルヒ「……冗談でもそうだねって言いなさいよ!」
キョン「んー……それは本当にわからないんだ。仕方ないさ」
ハルヒ「…」
キョン「まあ今の感じなら、死ぬまで俺の膝、肩、腕。……その他もろもろはハルヒのモノだろうけど」
ハルヒ「うん」
キョン「なにがあるかわからないんだ。しっかり二人で頑張ろうな」
ハルヒ「なにを、どう頑張るのよ?」
キョン「そうだな……適度に甘えて、適度に甘えられてみるとか」
ハルヒ「いつも通りってことね!」
キョン「恐らくな」
ハルヒ「うん! 二人で頑張るわよ! キョン」
キョン「おぅ」
キョン「そろそろ行くか」
ハルヒ「まだ」
キョン「遅刻するぞ」
ハルヒ「……まだしてないもん」
キョン「? なにをだよ」
ハルヒ「…」
キョン「おーい。うつむいてちゃわかんないぞー」
ハルヒ「言わないとわからないの!?」
キョン「はは、ごめん。わかってるよ……こっち向いてくれ」
ハルヒ「……ん」
キョン「……好きだ、ハルヒ」
ハルヒ「うん……大好き」
キョン「さ、そろそろ行くぞ。学生も増えてきた」
ハルヒ「そうね! 二人乗りで行くわよ!」
キョン「……俺が漕ぐんだよな」
ハルヒ「当たり前じゃない!」
ハルヒ「ほら、キョンはここ! ここに座りなさい!」
キョン「……ったく。ちゃんと掴まってろよ? 行くぞハルヒ」
ハルヒ「それ出発! ……大好き、キョン」ムギュゥ