なぜか瑞穂視点。5月3日が憲法記念日、2月11日が建国記念日。なぜ、こういうことを書くかと言うと、漏れが一瞬どっちだっけ?と悩んじゃったから(ぉぃぉぃ)白いレースのだるまは次回に出る予定。

GWの過ごし方(5月3日憲法記念日前半)

このシリーズの司会(?)は貴子さんだったわけですが、今回は僕がやります。なぜかと言うと・・・

<1時間前。AM10:50>

「んじゃ、ゴールデンウィークと、ついでに瑞穂ちゃんの誕生日パーティをはじめーます」

まりやが相変わらず元気な声で宣言する。僕の誕生日はついでですか・・・

庭に置かれたパラソルの下、ビニールシートを引いて、6人の男女・・・傍目には6人の女性にしか見えませんよ、どうせ・・・が車座に座っている。

5月と言うには暑すぎる憲法記念日、今日は一日晴れだと言う予報を信じて、庭にパラソルを出してここでパーティと言う事になった。

まりやからの電話一本で、ビーチパラソルやらビニールシートやらを出す羽目になった貴子さんは、ぶつぶつと文句を言っていましたが、皆が持ち寄った食べ物を外で食べると言うのは楽しそう。

「だから・・・未成年にお酒を飲ませようとしないでください」

いきなりビールを空けてメンバーに配ろうとしているまりやに、貴子さんが噛み付いた。

気持ちはわかりますが・・・こういう場で、まりやにそう言うことを言って無駄ですよ。絶対。

「相変わらず固い女ね?パーティのときくらい細かい事にいちいち目くじら立ててんじゃないわよ。ほら、貴子も飲みなさい」

まりやが手に持っていたビールを貴子さんに押し付ける。あぁ、また喧嘩ですか・・・と、止めに入ろうとしたところで、紫苑さんが先に止めに入った。

「では、一足先に成人式を済ませたばかりの私が頂きますね?」

と言うが早いか、貴子さんの手に押し付けられていたビールの缶をすっと取ると、それをクビクビと一気に開けてしまった。

おぉ~思わず、周りからパチパチと拍手が起こるのを、にこりと軽く朱色に染まった顔を微笑ませて応じた。

「雑穀酒や発泡酒よりも、やはり、ビールの方が美味しいですわね。貴子さんも・・・いきなりビールと言うのも抵抗感があるでしょうから、水割りを作りますわね」

「ちょ・・・!」

っと、待ってください。ビールよりも水割りの方がアルコール度数は高いですよ。と、止めようとする僕の口をまりやが後ろから押さえ込む。ちなみに奏ちゃんは由佳里ちゃんに押さえ込まれている・・・もはや、貴子さんを助ける人は居なくなった。

「で、でも私、未成年ですし・・・」

貴子さんは色々あった所為で、紫苑さんには非常に弱い。まりや相手ならできることも、紫苑さま相手には出来ない。

「そうですわね・・・一人だけ、先に成人してしまった同級生のお酒は飲めませんよね・・・」

顔を俯かせ、寂しげな笑顔を見せる。しかし、水割りを作る手は止まらない・・・と言うか、水滴をたらせたウイスキーですよ、それ・・・女の人って怖い。

「いえ、あっあの・・・その・・・ですから・・・別にそう言うわけでは・・・」

こうなると、貴子さんに差し出される水滴を垂らしたウイスキーのグラスを拒む事は出来ない。

「そう言うわけでないのでしたら、どうぞ」

にこっと微笑む顔は先ほどまでの寂しげな笑顔ではなく心の底から嬉しそうな笑顔。

「では・・・一杯だけ・・・」

グイッとそのグラスを握って、一気に煽ってしまう貴子さん。あぁ・・・ほとんどストレートのウイスキーをそんな飲み方したら・・・パタンと貴子さんは顔を真っ赤にして、ひっくり返ってしまいました・・・あぁ・・やっぱり。

「と、言うわけで、うるさい生徒会長は轟沈してしまいました」

あの・・・紫苑さん、キャラが違いますよ?

轟沈した貴子さんを寝室に運んで帰ってきたときには、すでに他の4人は出来上がっていた・・・もしかして、この酔っ払い4人の相手、僕がするわけですか?

寝室で心地よさそうな寝息を立てている貴子さんがちょっぴりうらやましい・・・

</一時間前。AM11:50>

「大体、私に陸上部の部長とか、生徒会長とかって言うのはですね、分不相応なんですよ~聞いてますか?お姉さま!」

はい、聞いてますよ、さっきから10回くらい。ぐびぐびと缶のままのビールを飲む由佳里ちゃん・・・女の子なんだから、グラスくらい使おうよ。

「最近の一年生は、ちょーっと、しごくだけぇ!すぅぐやめちゃうんだからぁ!まりやお姉さまのころより、ずーっとらくなのにぃ!」

色々と陸上部の部長も大変なんですね。まりやを見てるとそうは思えなかったんですが・・・

「だいじょぉぶ!私が見込んだ逸材なんだから、陸上部を任せるのはユカリンしかいないってぇ~瑞穂ちゃんだってそー思うでしょぉ?」

普段から無駄に自信たっぷりなまりやはさらに自信たっぷりに答える。正直、陸上部の行く末が心配。

「大丈夫・・・なんじゃないのかな・・・多分」

はぁ、と軽く溜息をついて、紫苑さんの持ってきたから揚げをつまみにビールを少しだけ飲んで答える。

「ゆかりんはぁ!ダメダメなんですよぉ~~おねえさまぁ」

と、言ってまりやの胸で泣きまねをする。確かに、色々と駄目かもしれない・・・ちなみに、このやり取りもすでに同じ回数くらい繰り返されている。

「そうなのですよ~例え!毎晩、一人でシテても、由佳里ちゃんは立派に生徒会長を勤めているのですよ!」

顔を真っ赤にして奏ちゃんが、由佳里ちゃんの恥ずかしい秘密を大音響で暴露する。

お願いですから、時々で良いので、僕が男だということを思い出してください。

「あらあら、若いですわねぇ~10代は」

20代一番乗りを果たした紫苑さんは気持ちよさそうにビールを何本も開けている。実は、今日、一番当てにしてたんですよ?紫苑さんの事。一番最初に裏切られるとは思いませんでした。

「えぇ~毎晩なの?ユカリン。若いわねぇ~」

この話題にまりやが食いついた。となると、絶対に僕の所に回ってくる・・・逃げよう。こそこそと四つんばいになって、女性4人の輪から離れた位置に移動する。

「毎晩じゃないですよ~三日に一回くらいですぅ!」

ぷぅと頬を膨らませ、自らの恥ずかしい秘密を訂正する。聞いてる方が恥ずかしいんですけど・・・あっ、別に聞きたいわけじゃないんですよ?ほんとうに。声が大きいんです。

「それでも多いって!」

まりやがベタな大阪漫才のような突込みを入れると、奏ちゃんと紫苑さまが大喜びで笑い転げている・・・いっ今のやり取りのどこが面白いんですか?

「と・こ・ろ・で、瑞穂ちゃんは週に何回くらい?」

ほら、僕の所にお鉢が回ってきた。まりやがやけに嬉しそうな顔をして逃げてる僕の所に擦り寄ってきた。

「お姉さま~ユカリンも聞きたいです~」

一人称がユカリンになってしまっているよ、由佳里ちゃん・・・本当は気に入ってたんだね、その愛称。

「やはり、同棲などと言う物をしていると、毎晩なんでしょうか?」

紫苑さんまで・・・顔色は相変わらず少し赤い程度ですけど、本当は凄く酔ってませんか?

「駄目なのですよ~そのような事を聞いては」

字面だけ見ているとフォローしてくれているようにも見えるけど・・・奏ちゃん、そんなに身体を乗り出してきたら、興味深々なの、丸判りだよ・・・

こういうとき、酔い損ねた人間は辛い。第一、今夜も夕方からアルバイトがあるのに飲みすぎるわけには行かないんですよ・・・

貴子さん、早く起きてこないかな・・・一人で酔っ払い乙女を4人相手にするのは疲れたよ・・・

<その頃の貴子ちゃん>

「んっ・・・」

軽い声を上げて目を覚ます。周りを軽く見渡し、誰も居ない事を確認。

「・・・寝なおそう・・・」

布団の中にもぐりこんでしまった。

</その頃の貴子ちゃん>

もちろん、こんな恥ずかしい質問に答えられるわけはなく、こそこそと逃げ出す。

「あっ、お姉さまが逃げ出した~」

「答えるには恥ずかしい程度の回数なのでしょうか?」

「そういえば、この間、ここに泊まったときもシテなかったし・・・もしかして、瑞穂ちゃんって不能?」

「まりやお姉さま、不能って何なのですか?」

先ほどまで僕が居たあたりに4人が顔をつき合わせて話をし始めた。なんか、人生に疲れちゃったな・・・ビールとから揚げが塩辛いや。

「やっぱり、女装なんかしてたから・・・かわいそうなお姉さま」

勝手に不能にして勝手に同情してないでよ、由佳里ちゃん。

「もしかして・・・男に目覚めたとか?貴子がカワイソっ!」

どこから取り出したのか判らないハンカチで涙をぬぐう真似をするまりや。男に目覚める目覚めないの前に、女性不信になりそうだよ。後、ウイスキーを一気飲みさせられたことに対して同情してあげてよね。

「皆さん、お酒臭いのですよ~」

「それは奏さんも同じですわよ」

あははははぁ~と、能天気な笑いが4人の輪の中でわきあがる。ほとんど酔えていない僕には、何が面白いのかさっぱり理解できない。

「瑞穂ちゃん、お酒ないよ~」

「ビールは飽きたので、そろそろ、洋酒に入りたいところなのですが・・・」

紫苑さん、ウイスキーだって4人で一本開けちゃってるじゃないですか、貴子さんを轟沈させた奴。

「あっ、そういえば、ルイ13世が棚にあったわよ」

それは駄目だって・・・本当にそれに手を付けたら、僕が父に殺されてしまいますがな。

「ルイ13世?」

そう言うのを全く知らない由佳里ちゃんと奏ちゃんが顔をつき合わせて首をかしげる。

「レミーマルタンの最高級コニャックですわよ。1本百万円の物も珍しくはないとか・・・」

と、懇切丁寧に解説している。高価だと判ってるんなら、手をつけようとしないでください。

「と、言うわけで、最高級コニャックルイ13世の中でも、超のつく最高級品を開けちゃいまーす」

スレッ○ーさん、早いよ!いつの間に持ってきたわけ?酔っ払いの速度じゃないよ、まりや!

止めに入ろうとした僕の身体は、紫苑さまに羽交い絞めにされ、由佳里ちゃんと奏ちゃんに両手を押さえつけられた。

「一般家庭に暮らす者には、一生口に入りそうにないものなんですからね?」

貴子さんのお兄さんと婚約しなおしたら、何回か飲む機会もありますよ、紫苑さん。だから、離してください。と、いいたいけど、いえない自分が可愛くて好き。

殺される、本当に父に殺される・・・あぁ・・・本当に開けちゃった・・・開けたんなら、僕にもください。

どうせ殺されるんなら、飲んでから死にたい。

「どうせ、小父様は眺めて喜んでるだけなんだから、後で○ッカの角瓶でも入れて置けばばれやしないわよ」

大学生の飲み会に出て来るものじゃないよ・・・ルイ13世は。それを・・・あぁ、もう、香も何もない飲み方しちゃって・・・

  

そして、数年後・・・僕と貴子さんは正式に結婚をする事になった。

「これはな、お前が生まれたときに買ったものなんだ。お前が結婚の報告に来たときに、お前とお前の奥さんになる人と母さんの4人で飲もうと思ってな・・・」

そ・・・それ・・・もしかして、あの時、まりやたちと飲んで、後からニッ○の角瓶を入れたルイ13世(の空き瓶)

「お義父様・・・」

感極まったのか、貴子さんは目に涙を浮かべている。それはもちろん父も同じ。僕は違う意味で涙が出来た。

(おしまい)

  

あとがき・・・ニッカの角瓶は美味しいですよ、ニッカの角瓶なりに。あぁ、1回でいいから1本100万円って言うお酒を飲んでみたい